コーティングの知識

一昔まえは、お車の手入れといえば　“ワックス”　が主流でした。ワックスと一口に言いましても様々な製品があり、今でもワックスが放つその独特の艶に魅せられてお使いになられているファンも多いのです。

しかし、ワックスによっては水垢やウィンドウの油膜、傷の原因になることもあり、時代の流れとともにカーケアの主流は　“コーティング”　の時代へと移り変わってまいりました。今や塗装などの知識のない一般の方でも簡単にカーショップで手に入れることができるようになりました。

様々な機能を謳うコーティング剤ですが、コーティング剤自体もいろいろな製品があり全て万能ではないのです。それでは、　“コーティング”　というものについて少しご説明いたします。

最近は様々なメーカーからガラスコート剤が開発販売され、自動車用品店で手軽に購入出来るようになりました。洗車と同時にコーティング出来る物や、ボディの汚れの除去とコーティングが同時に出来るものなど、たくさんの商品が店先に並んでおります。

また、かなり高価になりますが、新車ディーラーで納車時に施工してくれるものや、コーティング専門店で施工するものなど様々です。それらの商品の謳い文句の多くが、『一回の施工で後は水洗いだけで1年間艶が持ちます。』、『5年間艶が持ちます。』なのです。

はたして本当にそうでしょうか?
コーティング層は焼付けによるコーティングでもしない限り、実際のところ０．５〜１ミクロンの厚さをもたせるのが精一杯です。その厚さはなんと髪の毛の　８０分の１　〜　１６０分の１　しかありません。

その様な極めて薄いコーティング層はあなたのお車を何者からも守ってくれないでしょう。

私は黒い車にもう２５年間乗り続けておりますが、新車から１年ほど経ってからあまりの塗装の手入れの難しさに、洗車専門店で８万円近くお金を出して“最高”と言われたガラスコーティングをお願いしたことがあります。しかし余程塗膜の状態が良くなかったのかどうかは分かりませんが、仕上がった姿は大枚はたいたほどの仕上がりではなく３ヶ月も艶は持ちませんでした。それ以来一切業者に任せることなく自分でメンテナンスしており今に至っております（実践画像）。
　

多くの商品が店頭に並び、今や簡単に誰でも施工できるコーティングですが、その成分はガラス繊維を含むものやシリカ、ケイ素を含み施工すると硬化するものなど様々です。お車のおかれている環境は想像以上に苛酷です。上空からは太陽光の熱と紫外線、鳥糞や樹液、酸性雨、地上では排気ガス、泥、アスファルトのタール、ガソリンやオイルを含んだ雨水、虫、特に海沿いにお住まいの方のお車は塩害等、洗車したその日から、そして走行中でも砂などを含んだ風圧がボディにあたる事により傷がつきます。

その様な環境の中で、わずか０．５〜１ミクロンのコーティング層がたった１回の施工で何年も水洗いだけで持つ訳がないのです。
特に一般の方がコーティング剤をお使いになる場合に、施工前の下地処理（水垢等の除去）を十分にされずにコーティング施工を行いますと、汚れの上にコート剤を塗り込めることなり、それを数回繰り返したならば艶どころか汚れを固着させるだけの行為になってしまいます。

しかもコート剤によってはシリカやケイ素成分がウインドウやボディに流れ出し、一層イオンデポジットの形成を促進することになるのです。
当店では、この様なイオンデポジットを形成する恐れの無い素材を使用しております。